■「在日同胞の力に」 海越え韓国からも

 京滋の朝鮮学校にエアコンを設置する支援の輪は今回、海を越えて韓国でも広がった。ところで、韓国では、朝鮮学校の存在はどのように捉えられているのだろうか。

 CFに協力したソウル市のNPO法人「朝鮮学校とともにする人々 モンダンヨンピル」の事務総長・金明俊さん(50)は「日本の朝鮮学校の存在は、20年ほど前は韓国でほとんど知られていなかった」と話す。

 金さんは2006年、北海道の朝鮮学校に密着したドキュメンタリー映画「ウリハッキョ」を撮影、韓国で公開した。映画は「懸命に生きる在日同胞の学校を知らなかった」と市民に衝撃を与え、朝鮮学校が韓国社会に知られるきっかけの一つになったという。

 以降、韓国での認知度は高まり、ここ数年は全国で朝鮮学校を支援する組織の設立が相次いでいる。昨年は、大手テレビ局が朝鮮学校の長編ドキュメンタリーを相次いで放送した。

 ただ、中学や高校などの公教育で朝鮮学校が取り上げられることはなく、多くの市民の認識は「民族の言語を教える場」という程度にとどまる。GHQによる朝鮮学校閉鎖令を乗り越えて存続した歴史や、朝鮮総連と関係が深いことなどはあまり知られていないという。

 金さんは「それよりも、差別に苦しむ同胞の力になりたいという思いが、韓国社会に広がっている」と話す。今春、さいたま市が幼稚園や保育園にマスクを配布した際、朝鮮学校幼稚部を除外した問題では、韓国国内で支援のマスク4万枚が集まったという。

 何度も来日歴がある金さんは「日本の市民が、朝鮮学校の実情を知らず、無関心だと感じる。クーラーのことも含め朝鮮学校が置かれる苦しい環境について、日本社会が『自分たちの問題』と捉えるようになってほしい」と願っている。