秋季公演の替わりに行われた「嵯峨大念仏狂言」の公開稽古(京都市右京区・嵯峨釈迦堂)

秋季公演の替わりに行われた「嵯峨大念仏狂言」の公開稽古(京都市右京区・嵯峨釈迦堂)

 国の重要無形民俗文化財で京都三大念仏狂言の一つ「嵯峨大念仏狂言」の保存会が、秋季公演に替わって公開稽古を実施した。新型コロナウイルスの影響により、今年の定期公演は中止となったが、日頃の稽古の成果を発揮するため、そろりと再始動した。

 同保存会は1975年に結成。現在、中学1年から80代の35人が所属している。例年、京都市右京区の嵯峨釈迦(しゃか)堂(清凉寺)の狂言堂で3月、4月、10月の3回定期公演を行ってきた。コロナの影響により、今年は全公演が中止となったが、会員は毎週、消毒やマスクなど感染予防し、狂言堂での稽古を続けてきた。

 練習の成果を披露したいと、事務局長の加納敬二さん(69)が秋季公演に替わる公開稽古を提案。10月25日に実施したが、狂言堂前に設ける椅子を置かず、周知もしなかった。「地元住民や通りがかりの人に自由に見てもらえたら」と加納さん。

 通常の定期公演では三つの演目を披露するが、演者が衣装や面を使い回すのを避けるため一つに絞った。源頼光と家来が土蜘蛛(つちぐも)との太刀回りを演じる「土蜘蛛」を披露。地元住民や参拝者が見守る中、演者が糸を繰り出すと拍手が起きた。

 加納さんは「やはり生で見てもらうのが一番。来年3月の公演には復活したい」と展望を語った。