学校の定期健康診断で児童生徒を上半身裸にさせることについて、思春期の娘がいる京都府内の保護者から京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に寄せられた疑問の声。取材を進めると、学校現場では以前から脱衣をめぐる健診上の課題があり、全国的に関係者を悩ませていた。

京都市立小学校で実施される健康診断の項目と結果を保護者に知らせる文書。右は脊柱や四肢の状態に異常があった場合に渡される


 府南部の50代の元養護教諭は健診時に脱衣する、しないそれぞれの中学校での勤務経験がある。現役だった20年以上前から脱衣を嫌がる生徒はおり「スムーズな健診のためには脱衣が望ましいと考えるが、恥ずかしいと思う生徒の気持ちも分かる」と振り返る。

 脱衣の必要性について学校保健を管轄する文部科学省はどう考えているのか。担当者は「脱ぐ脱がない、という話ではなく、発達段階に応じ診察に必要な範囲で肌を露出させるという考え。健診の方法については学校、校医、保護者で共通の理解を図ることが必要だ」とする。

 一方、脱衣で健診を実施する京都市学校医会は、2015年度に改訂された同省監修の「児童生徒等の健康診断マニュアル」を引用し、こう説明する。「以前のマニュアルで脊柱の視触診は『上半身を裸にして』と書かれていたが、改訂版で削除されていた。文科省に問い合わせ、改訂後も従来通りの診察法で変わりないことを確認した。また背骨が曲がる脊柱側弯(そくわん)症の検診を整形外科医が学校で実施してきた都市では、教育委員会の了承を取り付け脱衣で行っている。脊柱検査の専門家が脱衣を必要としていることは、見逃しのない診察をする上で大切な視点だ」

■虐待や自傷を見る

 京都市と同じ政令指定都市の大阪市もプライバシーに配慮しつつ上半身脱衣で実施している。大阪府医師会は脱衣の協力を呼び掛けるチラシを作って保護者らに理解を求めている。チラシには肌を露出させる視診の役割について「側弯症などの疾病だけでなく、虐待や自傷などすぐに教育的介入を要する兆候を見いだす」と書かれている。