新型コロナウイルスの影響が、大学生らの就職活動にも及んでいることが明らかになった。

 文部科学、厚生労働両省が来春に卒業を予定し、就職を希望する大学生の内定率(10月1日時点)を調べたところ、前年同期比7・0ポイント減の69・8%にとどまった。

 下落幅は、リーマン・ショック後の2009年に7・4ポイント減となったのに次ぐ。内定率が70%を割り込むのは、5年ぶりだ。

 「就職氷河期」の再来を感じさせる結果といえる。

 調査は、全国の国公私立大62校の4770人が対象となった。

 文理別では、74・5%(4・8ポイント減)の理系と比べ、文系が68・7%(7・5ポイント減)で、より厳しい。地域別では、北海道・東北と中国・四国が10ポイントを超える大幅な下落となった。

 企業が採用抑制をしやすい文系の学生や、産業基盤の弱い地域に、しわ寄せがきているようにみえる。対策が急がれよう。

 内定率下落の原因は、いうまでもなく、コロナ禍が就職環境を著しく悪化させていることにある。

 旅行、航空、飲食など雇用の維持も難しい業界の採用は、極端に絞られている。また、採用活動を行っている企業の一部も、業績をにらんで、内定の基準を前年より厳しくしているとされる。

 加えて、密集を避けるために、就職に関するイベントが相次いで中止になったり、大学の構内が閉鎖されたりするなど、就職活動自体が例年通りにできない状況が生じている。

 その結果、孤立しがちな学生には、サポートが必要だ。

 ただ、採用を減らす企業ばかりではない。

 コロナ前の人手不足の頃、他社に後れを取っていた中小企業が、優秀な学生を確保しようと、積極的に採用する例があるという。

 こうした企業と学生のマッチングを、促進していくべきだ。

 文科、厚労の調査では、短大の内定率は13・5ポイント減、専修学校は14・9ポイント減と、過去最悪の落ち込みとなった。

 高校生についても、コロナで採用選考の解禁が延期されたため、調査がまとまっていないが、不安は募る。

 いずれも、大学生と同様の目配りをしておきたい。

 政府は対策として、卒業後3年以内の既卒者を新卒と扱うよう経済団体に要請している、とする。第2の就職氷河期をつくらないというのなら、さらに強力なてこ入れが求められよう。