作家・三島由紀夫が衝撃的な死を遂げてから25日で半世紀。そして、三島が小説に描いた「金閣」炎上から70年を迎えた今年、放火した青年僧の弟弟子が当時のことを明かした。

■生き証人の老師が語る



 「早いなあ…」

 老師は大きな節目を前に一言、そうつぶやいた。

 のちに金閣寺(鹿苑寺)の執事長を務めた江上泰山さん(84)は事件当時、14歳。中学3年だった。

 福井県の寒村にある檀家20人ほどの「貧しい寺」に生まれ、前年から金閣寺に預けられていた。

 国宝・金閣の炎上から半世紀以上の歳月が過ぎた今、あの衝撃的な事件を内側から見た数少ない証言者の一人である。

 「男性の平均寿命を越えて、医者からあまり長くはないよと言われていますんや。当時、寺にいた私を含む弟子6人の中で、今生きているのは何人いるか」