♪オー フラワー オブ スコットランド~。キックオフの数時間前、老若男女の歌声が響いた。ラグビーW杯で日本とスコットランドが対戦した13日の日産スタジアム。国歌を歌ってもてなす「スクラムユニゾン」という取り組みだ▼ルビ入りの歌詞カードを手に練習していると、スコットランドの若者が加わった。教えられつつ肩を組んで大合唱する。肩肘張らない交流ムードが広がった▼12会場の開催都市が設けた無料のファンゾーンも人気だ。大型ビジョンで試合を見たり、ゲームで遊んだり。いろんな国の人と芝生で観戦すると、スタジアムとは違う楽しさがあった▼スーパープレーだけでなく、試合を離れた風景も忘れがたい。海外から訪れていれば、なおさらだろう。スポーツの記憶はまちの熱気や地元の人の表情と一緒に刻まれる▼スコットランドとの試合後。固く握手を交わし、激闘をたたえ合う両国のファンを見た。勝った喜びも、負けた悔しさも。言葉は通じなくても、敵味方の関係なく感動を分かち合いたくなる▼来年は東京五輪、再来年はワールドマスターズゲームズ関西と国際大会が続く。ささやかかもしれないが、思いを共有し互いの理解が深まっていく場面が広がれば。メダルや勝敗を超え、人間をつなぐ力がスポーツにはある。