子どもたちに、何と説明すればいいのか。

 神戸市立東須磨小の教諭4人が若い後輩教諭をいじめていた問題である。羽交い締めにして激辛カレーを食べさせるなど、いじめの度を越している。暴行と言っていい。

 教室では児童たちに「いじめはダメ」と教える立場なのに、これでは逆だ。

 被害届を受けて警察が暴行容疑で捜査する見通しで、刑事事件に発展しそうだ。一方、市は第三者の調査チームを発足させた。経緯や動機の解明にとどまらず、なぜこうした事態が起きたのか、背景にまで踏み込んで教訓や課題を浮き彫りにし、多くの学校と共有してほしい。

 いじめを受けた男性教諭(25)は採用1年目の春から、30代~40代の男女教諭にからかわれ、熱湯の入ったやかんを顔に付けられたり、焼き肉のたれを大量に飲まされたりするようになったという。

 加害側の教諭らは学校運営のリーダー的存在で、うち2人は児童のいじめに対応する生徒指導を担当していた。どうして、こんなことが学校でまかり通るのか、信じられない思いだ。

 見かねた同僚の教諭が前校長に相談したのに、詳しく調査していなかった。今年6月に同僚が学校に報告し、新任の校長は加害教諭を指導したものの、市教委には詳細を伝えなかった。

 いじめを過小にとらえ、閉鎖的な学校内部で問題をうやむやにする。これまで失敗した教訓が全く生かされていない。

 教育現場に詳しい識者は、発言力の強い一部教諭らが支配的に振る舞う「職員室カースト」を指摘する。そこからは、自由に語り合う空気は生まれない。

 文部科学省によると、心の病で休職中の公立学校の教員は、最新の一昨年度調査で5千人を超す。この10年、ほぼ変わってない。2年未満の勤務が半数で、新任の教諭に多いようだ。

 教員の働き方改革が進められているが、教員の多忙は相変わらずで、疲労はたまっているという。そうした中、教員同士や校長と意思疎通はできているだろうか。

 神戸の学校で起きた、特異な事案で済まさないでほしい。いじめを生み出す学校環境になっていないか、いま一度見直すことが大切だろう。

 先生がいじめをするなんて-。裏切られた子どもたちの心の声を思い浮かべ、いじめを許さない学校づくりを考えてもらいたい。