捜査員に囲まれJR京都駅に着いた容疑者の男(2020年11月21日午後5時15分、京都市下京区)

捜査員に囲まれJR京都駅に着いた容疑者の男(2020年11月21日午後5時15分、京都市下京区)

山村さんの遺体が見つかった市営住宅(2020年10月12日、京都市下京区)

山村さんの遺体が見つかった市営住宅(2020年10月12日、京都市下京区)

 京都市下京区の市営住宅の一室で10月、住人のアルバイト山村留美乃さん(24)が刺殺された事件で、京都府警捜査本部(下京署)は21日、殺人の疑いで、東京都葛飾区高砂、無職戸塚那生(なおき)容疑者(20)を逮捕したと発表した。

 京都府警捜査本部の会見によると、調べに対し戸塚容疑者は「名前の知らない女性と京都であったことはあるが、殺してはいない」と容疑を否認している。捜査関係者によると、戸塚容疑者は会員制交流サイト(SNS)を通じて山村さんとやりとりをしていたという。

 京都府警捜査本部は21日午後、殺人容疑で逮捕した男の身柄を新幹線で京都市内に移送した。男は午後5時15分ごろ、JR京都駅に到着。駅ホームを捜査員に連れられて歩き、約15分後に捜査車両で下京署に入った。フードをかぶっており、表情はうかがえなかった。

  逮捕容疑は10月6日夜ごろから7日夜ごろの間、下京区河原町通塩小路下ルの市営住宅の一室で、山村さんの胸や首を刃物様のものでで刺して殺害した疑い。

 遺体が見つかったのは、10月11日午後2時ごろ。2日続けてアルバイトを欠勤した山村さんを心配した親族の女性らが部屋を訪れ、寝室で血まみれになって倒れている山村さんを発見して110番した。犯行現場は寝室とみられ、それ以外の部屋にも血痕があったという。

 京都府警捜査本部によると、山村さんは1人暮らしで、遺体発見時は玄関が施錠されていた。室内から山村さんのスマートフォンと部屋の鍵がなくなっており、犯人が施錠した上で持ち去ったとみている。室内に荒らされた形跡はなく、財布は残されていた。捜査本部は、犯人がスマホの通信記録を隠す意図があったとみて、山村さんの交友関係を軸に捜査を進めていた。

 捜査関係者によると、遺体には首や胸、背中に10カ所以上の刺し傷があった。司法解剖の結果、死因は胸を刺されたことで心臓の周囲に血液がたまって圧迫される「心タンポナーデ」だった。山村さんの手には、刃物から身を守ろうと抵抗した際にできる防御創とみられる傷があった。