新型コロナウイルスの影響で外来などを一時停止した後、受け入れを再開した京都中部総合医療センター(7月20日、京都府南丹市)

新型コロナウイルスの影響で外来などを一時停止した後、受け入れを再開した京都中部総合医療センター(7月20日、京都府南丹市)

 新型コロナウイルスの影響で通院している病院が外来受け入れ停止となり、転院を余儀なくされた場合、紹介状の作成料を支払う必要があるのか―。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に女性から疑問が寄せられた。別の病院で妊婦健診を受ける際に必要な紹介状の費用負担を迫られたという。関西では病院側が作成料を負担する例もあり、対応が分かれている。

 紹介状の正式名称は「診療情報提供書」で、症状や投薬内容などを記して転院先での円滑な医療につなげる。女性は京都府南丹市八木町の京都中部総合医療センターで妊婦健診を受けていた。しかし、7月に同医療センターは職員の新型コロナ感染が判明して外来などの受け入れを一時停止。女性は他の病院を紹介されたが、紹介状の費用として750円を請求された。女性は「私が希望して転院したわけではないのに。交通費もかさむ」と不満をこぼす。

 同医療センターでは約1週間の受け入れ停止で65人が他の医療機関を受診するなどした。担当者は「全員に紹介状の作成費を求めた。(支払いに納得がいかないといった声は)聞いていない」とする。

 医師らの新型コロナ感染で、外来などの受け入れを7月下旬から8月上旬まで停止した京都市中京区の市立病院では、転院が発生しなかったため、紹介状を書くことがなかったという。

 一方、一時的にコロナ対応の専門病院となり、利用者の転院が発生した大阪市淀川区の市立十三市民病院は、紹介状の費用を市が負担する。市の判断による影響で転院を余儀なくされたのに配慮した格好だ。

 患者と医療機関のコミュニケーションの在り方を提言する認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」(大阪市北区)の山口育子理事長は「医療機関の受け入れ停止は感染した職員や医療機関が悪いわけではない。今回の対応は正当」とした上で、「費用負担について納得がいかないのであれば、説明を求めてもよい」と助言する。

 女性の意見を踏まえ、京都中部総合医療センターの担当者は「説明に不十分なところがあったと感じている。今まで以上に十分な説明を行い、対応したい」としている。