青岸寺内の「喫茶去」。奥には枯山水の庭園が見える(米原市米原)

青岸寺内の「喫茶去」。奥には枯山水の庭園が見える(米原市米原)

 滋賀県米原市米原の青岸寺が、堂内の一角にカフェを設けて1年を迎えた。日本名庭百選の庭園を目の前に、住職自ら入れるコーヒーやスイーツを楽しめて、日々の喧噪(けんそう)から離れられると拝観者に人気だ。住職はカフェ開設を「理想とするお寺のあり方に近づくため」といい、地域に親しまれる寺を目指す。

 住職の永島匡宏さん(34)は6年前、静岡県から婿養子として青岸寺に入った。滋賀に移り、驚いたことがあった。「檀家さんからのお布施だけでは生活できず、多くの住職が日中、外に働きに出ている」。住職は寺にいるのが当たり前だと思っていた。
 自身も以前、外へ仕事に出ていて拝観者の相手ができなかった。「青岸寺は地元にとって近くて遠い」と感じた。何のために修行してきたのか。昨年10月、寺の一部を改装して「喫茶去(きっさこ)」を開き、今では土日曜に50人以上が四季折々の庭の景色とコーヒーを楽しんでいる。
 拝観者と会話したり、悩み相談に応じたりと、ほとんどの時間を寺で過ごせるようになり、「ここで色んなご縁に出合った」という。歌声サークルのイベントなども開催している。
 永島さんは「今後はもっと地域に溶け込んで、青岸寺や庭園に親しみを持ってもらえるようにしたい」と語る。