保護者とともに横断歩道を渡る練習をする幼稚園児(京都市東山区)

保護者とともに横断歩道を渡る練習をする幼稚園児(京都市東山区)

 手を上げて横断歩道を渡るよう、約40年ぶりとなる交通安全教育の復活を検討している京都府警が10月から、「手上げ教育」の試行を京都市東山区の幼稚園で始めた。歩行者の視認性を高め、車が横断歩道で一時停止する割合を増やしたいといい、来年秋から府内全域で実施する考えだ。

■一時停止 全国45位 向上期待

 「手を上げて、運転手と目が合うか確認しよう」。11月16日、東山区の華頂短期大付属幼稚園で、園児約60人が東山署員らとともに、園の前の横断歩道を渡る練習を行った。

 これは府警が新たに定めた横断ルール。歩行者はドライバーに対して手のひらと顔を向けて、渡る「合図」をする。横断前に一度止まって、車を見るなどの安全確認動作は従来通りに行う。

 府警は1960年代には手上げ教育をしていたが、国家公安委員会が「車の通過を待って横断する」方式に改めたことを受け、78年に手上げを廃止。以降は「車の通過待ち」の指導を続けてきた。

 だが昨年、日本自動車連盟(JAF)の調査で、横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる状況で一時停止した車の割合が京都府は5%にとどまり、全国45位(ワースト3位)だった。上位の都道県は手上げ教育を徹底しており、府警は今年3月に学識者らでつくる「安全横断検討会議」を設置。手上げ教育の復活に向け、具体的な方法を検討してきた。

 府警は来年秋をめどに府内の全幼稚園で新ルールの指導を始め、小学校などにも広げる方針。今年のJAFの調査では府内の一時停止率は19・9%で全国24位に改善したが、平均は下回っている。

 府警交通安全教育センターの藤原省三所長補佐は「横断歩道は歩行者優先。手を上げて合図することで、少しでも安全に渡れるようにしたい」と話している。