京都大医学部付属病院

京都大医学部付属病院

 京都大医学部付属病院は25日、手の神経を損傷した患者に対し神経の再生を促す組織を移植する治験を開始すると発表した。患者の皮膚から採取した細胞を培養し、バイオ3Dプリンターで直径約2ミリ、長さ2・4ミリのチューブを作製し、患者の体内に戻す。

 けがなどで損傷した神経の治療には、患者の別の部位の神経や人工神経の移植がある。しかし患者自身の神経を傷つけたり、神経の再生が不十分だったりするなどそれぞれの手法に課題があるという。

 同病院の松田秀一教授や池口良輔准教授らは、再生医療ベンチャー企業「サイフューズ」のバイオ3Dプリンターを用い、患者自身の皮膚から線維芽細胞を採取して培養、チューブ状にする手法を開発した。細胞でできたチューブから放出される生理活性物質(サイトカイン)などによって、神経再生の促進が見込まれるという。

 治験は手の神経の損傷から6カ月以内の患者で、20~60歳の男女3人が対象。皮膚組織の採取から約60日でチューブを作製し、損傷部位に移植。その後に48週間かけて経過観察し、安全性や有効性を確認する。

 治験責任医師の池口准教授は「神経の損傷で苦しむ人は多いので、新たな治療法につながればと望んでいる」と話した。