コロナ禍の大学教育の実態調査について説明する大学教育学会の山田会長(中)ら=文部科学省

コロナ禍の大学教育の実態調査について説明する大学教育学会の山田会長(中)ら=文部科学省

 大学教育学会(会長・山田礼子同志社大教授)は25日、文部科学省で会見を開き、新型コロナウイルス感染症が流行する中での大学教育の実態調査結果を報告した。全国の会員教職員にアンケートし、多くの大学で実施している遠隔授業の影響で教員は授業準備の時間が増加し、自身の研究時間を削っている実態が浮かび上がった。

 調査は9~10月、同学会の個人会員になっている全国の教職員に実施。312人から有効回答を得た。

 回答者の95%が前期の授業で遠隔授業があったと回答。教員の83・4%が遠隔授業によって授業準備の時間が増え、課題の採点なども7割近くが増加したとしている。授業対応のために研究時間が減ったという教員は67・6%に上った。

 遠隔授業の利点として、学生が時間や場所にとらわれず自分のペースで学習できるとする回答が多かった。学習成果については「良くなった」が26・9%いた半面、6割近くが「変化なし」や「一概にいえない」と答えており、評価が分かれた。

 また学生の通信環境整備に国の財政支援を求める声が8割あり、7割近くが著作権の規制緩和を求めている。山田会長は「コロナ禍での遠隔授業を前向きに捉えて工夫を凝らす会員が多く、回答にもそうした傾向が出たのではないか」と話す。