稚児野遺跡で出土した、約3万6千年前の斧やナイフ形の石器斧やナイフ形の石器

稚児野遺跡で出土した、約3万6千年前の斧やナイフ形の石器斧やナイフ形の石器

 京都府埋蔵文化財調査研究センターは26日、同府福知山市夜久野町井田の稚児野遺跡の発掘調査で、後期旧石器時代前半の石器群が出土したと発表した。府内最古級となる約3万6千年前の石器が含まれている。大阪と奈良の府県境にある二上山のサヌカイトや隠岐諸島産の黒曜石が使われており、同センターは「人の広域な移動がうかがえる」としている。


 国道9号の改良工事に伴う調査では、約3万年前に噴火した姶良丹沢火山灰層の下の層から、後期旧石器時代では府内最多となる約700点の石器が出土した。府内で同時代の石器が見つかるのは京丹後市の上野遺跡に次ぎ2例目。

 石器が集中して出土した場所が9カ所あり、製作や使用の跡とみられる。約3万6千年前の石器は、サヌカイトの槍(やり)先やチャートのナイフ形石器が4点、地元の頁(けつ)岩で作られた刃部(じんぶ)磨製石斧(せきふ)が3点あった。製作に使われた台石やたたき石もあり、一定期間滞在した可能性があるという。動物の皮をはいだりなめしたりする道具も見つかり、同センターは「大型の動物の狩りをしていたのではないか」とみている。

 旧石器時代に詳しい奈良文化財研究所の加藤真二企画調整部長は「後期旧石器時代の人たちが、かなりの距離を移動していたことが分かる貴重な資料。朝鮮半島や中国で見つかっているのこぎりの歯のような石器も出ており、石器が日本に入ってきたルートを知る上でも手がかりになる」としている。

 出土した石器の一部は同町平野の夜久野町化石・郷土資料館で28、29日と12月5、6日に展示される。