1934年の室戸台風で被害を受けながらも児童700人が無事だった勧修小(当時・勧修尋常高等小、京都市山科区)の事例から学ぶ講演会が28日、同小で催された。体験者の証言を集めた冊子を2月に完成させた地元の郷土史家浅井定雄さん(70)が「教職員の決断と懸命な行動が奇跡を起こした」と語った。
室戸台風は「昭和三大台風」と言われ、京都市内の小学校でも13校の校舎が倒壊し、約110人の児童が犠牲になった。勧修小では、講堂が全壊し、21教室が半壊したという。
講演では、台風の当日、朝会のため講堂に集まる児童に教職員が教室に戻るよう大声で繰り返し指示した話を紹介。「校長はじめ、教職員が講堂の老朽化を事前に知っていたため、的確な判断ができた」と強調した。
教室に戻った後も、校長の指示に従い、教員が児童を全力で誘導して難を逃れた。「この奇跡の1日を、防災や教育の関係者、地元住民に伝えたい」と締めくくった。
冊子の完成を記念して勧修学区社会福祉協議会と同地域女性会が初めて企画し、地元住民ら約60人が参加した。
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