惜しまれながら閉店の日を迎え、60年間の歴史に幕を下ろしたドライブイン「丹波の里やまがた屋」(京都府京丹波町蒲生)

惜しまれながら閉店の日を迎え、60年間の歴史に幕を下ろしたドライブイン「丹波の里やまがた屋」(京都府京丹波町蒲生)

閉店日に店を訪れ、カメラを手に写真に収める人々

閉店日に店を訪れ、カメラを手に写真に収める人々

商品がほとんど陳列されていないドライブイン「丹波の里やまがた屋」の土産物売り場

商品がほとんど陳列されていないドライブイン「丹波の里やまがた屋」の土産物売り場

 京都府京丹波町蒲生のドライブイン「丹波の里やまがた屋」が30日、閉店した。国道9号と27号が分岐する交通の要所に位置し、海水浴に出掛ける家族連れや帰省客らに長年親しまれたが、国道の交通量減少などを背景に60年間の歴史に幕を下ろした。

 やまがた屋は、山形明裕社長(34)の祖父の山形順一会長(84)が、休憩所として1960年に27号沿いで開業。京都市内と府北部の中間点にあり、往来する人々の一息つく憩いの場として長く愛されてきた。

 2015年、京都縦貫自動車道の全線開通により交通の流れが変化。客足が遠のいたところに新型コロナウイルスが追い打ちを掛け、売り上げが減少し、収益改善が図れなかったことなどから今年7月に閉店を発表した。

 菓子「鬼饅頭(おにまんじゅう)」の納品に訪れた新治製菓舗(福知山市大江町)の新治良太さん(39)は「(やまがた屋とは)自分が生まれる前からのお付き合いだった。最後の納品になって寂しい」と思いを語った。

 この日は平日にもかかわらず店内はにぎわい、店の様子を写真に収める人や、従業員にねぎらいの声を掛ける常連客の姿などが見られた。閉店時間の午後5時になると、小雨が降る中、町内外から訪れた約30人が正面入り口前に立ち、静かに閉店を見守った。

 京都市伏見区から訪れた介護職の女性(53)は「最後を見届けたいと思い、仕事を休んで来た。青春を過ごした場所だった」と閉店を惜しんだ。

 閉店後は駐車場出入り口を封鎖する。土地と建物は売却する計画で、跡地利用は未定。