関西電力京都支社前で原発再稼働に抗議する人たち(4日午後5時28分、京都市下京区)

関西電力京都支社前で原発再稼働に抗議する人たち(4日午後5時28分、京都市下京区)

 大阪地裁は4日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置許可を取り消した。この判決に、原発再稼働に反対してきた京都、滋賀の市民からは「画期的な判決だ」と喜びの声が上がった。

 関電京都支社前(京都市下京区)で毎週金曜夜に市民が脱原発を訴える「キンカン行動」に参加していた男性(86)は「規制委の主張を科学的に論破し、他の原発の再稼働基準見直しにつながる可能性がある」と笑顔で評価した。

 大飯原発の30キロ圏に入る京都府綾部市で、市民グループで安定ヨウ素剤配布に取り組む女性(50)は「放射能漏れが起きれば生活がどうなるかという不安がある。判決は安心材料になった」と話す。2児を育てる母で危機感が強い。「老朽化の進んだ高浜原発もあるので一概に大丈夫とは言えない。動向を見守りたい」とした。

 滋賀県北部で活動する団体の代表の女性(66)は「甘い耐震設計で許可されたことに怒りと不安を感じていた。琵琶湖が放射能で汚染されたら水が飲めなくなる。原発より再生可能エネルギーという政策転換に結びついてほしい」と期待した。

 金沢地裁の裁判長として14年前に原発運転差し止めを認める判決を出し、現在は原発運転差し止めを求める大津地裁訴訟の原告側弁護団長を務める井戸謙一弁護士は「他の電力会社も、ほとんどの原発で同じ算出方法を用いており、今回の判決は非常に大きく波及する」と指摘。「裁判官は判決を出すことに大きなプレッシャーがあっただろう。再生可能エネルギーの普及や関電の裏金問題などがあり、市民に『原発はもういい』という雰囲気が広がったことも決断を後押ししたのでは」と話した。

 原告団で共同代表を務める環境団体代表アイリーン・美緒子・スミスさん(70)は4日、京都新聞社の取材に「判決は司法が突きつけた警告。日本がこれから原発大震災に向かうのか、避けるのかの分かれ道に立っている」と語った。

 アイリーンさんは「福島原発事故後、第二の原発震災を起こさないように各地の裁判所で市民と共に闘ってきた」と振り返り、「日本は地震国であり、仮に裁判が長引いて原発震災が再び起これば、日本の経済と環境は取り返しがつかないほど破壊される」と強調し、国に控訴断念を求めた。