移転することになった京都銀行美山支店(南丹市美山町静原)

移転することになった京都銀行美山支店(南丹市美山町静原)

 金融機関が店舗を縮小する動きが京都や滋賀でも広がり始めた。長引く金融緩和に伴う収益悪化や急速なデジタル技術の進化を背景に、大手銀行が踏み出した店舗の統廃合が、全国の地方銀行と信用金庫にも波及。各金融機関は店舗コスト削減と利便性の確保という難しい両立を迫られている。

 京都銀行は9月20日、京都府南丹市美山町の美山支店を、約30キロ離れた同市園部町の園部支店に11月25日に移転させると発表した。移転後は現在の美山支店に現金自動預払機(ATM)1台を残し、入出金などに対応する。
 一つの店舗に二つの支店を同居させる「店舗内店舗」と呼ぶ形態で、京都銀の導入は初めて。同行は「地域の人口減少や金利動態など金融機関を取り巻く環境は厳しく、サービスを維持するため」と理解を求める。
 京都銀は5月にも、京都市右京区京北地域で唯一の北桑支店を約200メートル先に新築された市京北合同庁舎内に移転。店舗面積が狭くなり、ATMは1台に半減した。採算面で建て替えが厳しい中、苦肉の策とも言える。
 店舗戦略を見直す背景には、長引く金融緩和政策による収益低下に加え、インターネットバンキングなど非対面の金融取引が普及したことによる来店者の減少がある。
 三菱UFJ銀行は、2023年度までに全国約180店を減らす方針を発表。地銀や信金も店舗の人員や設備に割くコストが重荷となっており、自前の店舗やATM網を地域の隅々に張り巡らせる営業戦略は転換期に差し掛かっている。
 京都中央信用金庫も9月17日、北区の鷹峯出張所を近くの紫野支店に移し、「店舗内店舗」の施策に舵(かじ)を切った。「顧客の利便性を維持しつつ、店舗網を効率化できる」とし、今後も近接する支店間で実施する考えだ。
 京都信用金庫は、7月に桃山支店(伏見区)を近くの北伏見支店に統合した。支店統廃合は十数年ぶりという。一方、中小企業が多い大阪府内の新規出店は加速。ビル上階の「空中店舗」として法人営業に特化し、経費を抑制している。
 滋賀銀行は、来店客が少ない滋賀県内の郊外店舗を中心に、運営を外部委託する代理店化に取り組む。荷台に簡易の窓口とATMを積んだ移動金融車も巡回させ、利便性を損ねないよう配慮する。
 都市部から離れた地域にも出店する地銀や信金にとって、地元住民や企業の反発も招きかねない店舗の統廃合は難しい。府北部が地盤の京都北都信用金庫(宮津市)は昨年11月から昼間の窓口業務を休止する「昼休み」を導入し、交代要員を減らすなどして店舗の閉鎖を回避した。
 地銀や信金は地域経済を支える要であり、住民の信頼も厚い。出口の見えない金融緩和と少子高齢化に伴う人口減少、廃業の増加という「三重苦」の中、店舗運営や業務の改革が急務となっている。