コロナ後の生き方を探るNewsPicksとの共同企画「THE KYOTO ACADEMIA」。ウェビナーシリーズに続く第2弾は、京都での特別対談を届ける。(THE KYOTO=佐藤寛之)

◎鎌田浩毅(京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授)
◎藤原和博(教育改革実践家/奈良市立一条高校・前校長/元リクルート社フェロー)
 ファシリテータ―:各務亮

ー現在のように不確実な時代こそ「教養」が必要と言われます。お二人が考える「教養を身に付ける際のポイント」について教えてください。

 鎌田 身に付けるための基本はやはり読書だと思います。私は京大で地球科学をずっと教えていますが、火山について教える時、新井白石の『折たく柴の記』に記述されている約300年前の富士山噴火について話すと、生徒は火山学の講義内容の理解が一気に進みます。これは文学や歴史などの幅広い教養が不可欠であることを物語っているのではないでしょうか。

 藤原 同感です。読書というと、私は乱読を勧めています。乱読するとさまざまなものが頭の中でつながり、自ら答えを出す「情報編集力」の基礎となります。私はこの「情報編集力」の大事さをずっと発信し続けています。
 また、遊びの要素も大切です。特に子ども時代の過ごし方は大きく影響します。私の場合、小さいころは野を駆け回り、たっぷりと時間があった大学在学時は、若者らしく流行を追い回したり、アルバイトをしたり、海外を巡ったことがベースになっています。

 鎌田 私は藤原先生と同世代かと思いますが、子どものころはベーゴマとかメンコが全盛でした。大学生時代は四つのサークルの掛け持ちで忙しく、夜行バスでスキーには行きましたが、つまらない授業にはほとんど出席せず、飲み屋に通っていました(笑)。
 だから就職は公務員で拾ってもらったようなもので、要は落ちこぼれでした。実は火山学も泣く泣く始めたようなものです。