黒澤明、小津安二郎と並び、偉大な映画監督と海外で絶賛されながら、日本人が最も知らない溝口健二。今夏、ネットで作品を視聴できるように。時を経て、評価は変わるか。

 世界的な日本人芸術家でありながら、我が国では今ひとつ評価が定まっていない映画監督がいる。

 溝口健二(1898~1956年)。

 東京の下町で生まれて、日活向島撮影所での助監督を経て、監督になるが、関東大震災をきっかけに京都に移り住み、以後大半の作品を京都の撮影所で作り上げた。36年製作の『祇園の姉妹』でキネマ旬報のベスト・ワンに輝き、日本を代表する監督になり、以後、小津安二郎と並ぶ巨匠という評価は揺るがなかった。