平等院鳳凰堂の建立当初の木材であることが分かった板(京都府宇治市宇治、浄土院)

平等院鳳凰堂の建立当初の木材であることが分かった板(京都府宇治市宇治、浄土院)

  平等院(京都府宇治市)は18日、平安時代の1053年に関白・藤原頼道によって建立された鳳凰堂(ほうおうどう)(国宝)の屋根下地に使われていた板の伐採年が、年輪年代調査の結果、建立直前の1046年と判明し、建立当初の木材だったと発表した。神居文彰住職は「建立前の歴史は文献資料ではよく分かっておらず、建築史をひもとく貴重な発見だ」としている。

 伐採年が判明したのは、明治期の修理で取り外され、塔頭(たっちゅう)・浄土院に保管されていた野地板1枚(長さ5・64メートル、幅35・3センチ、厚さ3・6センチ)。奈良文化財研究所の光谷拓実客員研究員が2016年、年輪年代調査を行った。伐採年を特定できるケースは少ないが、樹皮直下の年輪が見つかったため、1046年に伐採されたヒノキと分かった。
 同様の経緯で浄土院に保管されていた野地板は他にも3枚あり、光谷氏らが2014~15年度に調査したところ、1枚が1000年代前半、2枚が1200年代前半の伐採と推定されている。今回の調査結果と合わせると、4枚のうち2枚が建立当初材、2枚が約150年後に取り換えられた可能性があると考えられるという。
 平等院建造物維持管理担当技術者の鳴海祥博氏は「分厚い野地板は150年で老朽化するとは考えにくい。自然災害など何らかの外部要因により修理が行われたのでは」と説明する。
 同志社大歴史資料館の浜中邦弘准教授は「平等院は藤原摂関家をしのぶ貴重な寺院だ。文献資料には、建立後も藤原摂関家がたびたび修理を命じた記録があり、両者の関係解明がさらに進むことが期待される」としている。