琵琶湖岸の自生地で掘り起こした砂に根を張るムサシモ(滋賀県内)

琵琶湖岸の自生地で掘り起こした砂に根を張るムサシモ(滋賀県内)

採取したムサシモ

採取したムサシモ

 近い将来に野生で絶滅する危険性が高いとされる水草「ムサシモ」が、滋賀県の琵琶湖岸で自生していることがこのほど分かった。自生地の確認は初めてで草津市の市民団体が発見した。場所は公表していないが、関係者は「保全に向けた動きが進む」と期待する。

 専門家によると、ムサシモは湖沼やため池、水田に極めてまれに生育する。果実が著しく曲がっているのが特徴で、環境省のレッドリストで「絶滅危惧IB類」に分類される。

 自生地を見つけたのは同市立水生植物公園みずの森を拠点に活動する「水草同好会」メンバーの男性(55)=栗東市=と大阪府守口市の男性(50)。10月初旬、水草分布調査の際、湖岸でムサシモの5~10センチほどの断片「流れ藻」を発見した。沖合には別の水草ヒシが壁のように繁殖しており、対岸から漂着した可能性は低いと推測。別の日に周辺を詳しく探索し、自生地を確認した。水深20センチほどにあり、スコップで掘り起こすと藻に根がついていたという。

 同会の山﨑美津夫代表(89)は「鳥の足などについた切れ藻が流れつき、定着したのかもしれない。探せば別の場所でも見つかる可能性がある。まず取り組むべきは種の保全だ。由来特定のためにDNA鑑定もする必要がある」と話す。

 同会はムサシモの自生地について業者の乱獲を懸念し、明らかにしていない。今後、貴重な水草保全に向けて他団体や研究機関と連携していく方針という。