「ねじれの巡礼」の内部で作品について語る大崎晴地さん(京都市左京区・京都国立近代美術館)

「ねじれの巡礼」の内部で作品について語る大崎晴地さん(京都市左京区・京都国立近代美術館)

 京都市左京区の京都国立近代美術館ロビーに巨大な体験型の美術作品がお目見えし、訪れた人たちを驚かせている。作者は作品に触れることで「アンビバレント(相反する感情の共存)な社会に目を向けてもらうきっかけになれば」と話している。

 障害者の体験を追体験することに関心を向け創作している美術家大崎晴地さん(39)の「ねじれの巡礼」。岡崎地域の文化施設で開催中の共生社会を考える催し「CONNECT⇅ (コネクト)」(文化庁と同館主催、京都新聞共催)のプログラムの一つだ。

 「ねじれの巡礼」は縦10メートル、横5メートルで、パイプの骨組みを防寒用シートで覆った。シート内側に空気を送り込んで膨らませており、人が内部に入るとシート内の空間がさまざまに変容する。夢と現実の境界があいまいになる状態を示唆しており、「例えば障害者と健常者といった常識的で二項対立的な見方でなく、両者がメビウスの輪のようにつながっていることを感じ取ってほしい」という。

 一方、小野篁と紫式部の墓や御土居などを巡り、異界や冥界といった非日常を経て現実を見つめ直してもらう映像作品「八角巡礼」も発信。多様な人が共生できる世界に思いを巡らせてもらう。展示は1月24日まで。無料。