今月末で劇場としての公演が終わる人間座スタジオ(京都市左京区)

今月末で劇場としての公演が終わる人間座スタジオ(京都市左京区)

黒で統一された舞台で、かつて上演した劇団の思い出を語る菱井さん(京都市左京区・人間座スタジオ)

黒で統一された舞台で、かつて上演した劇団の思い出を語る菱井さん(京都市左京区・人間座スタジオ)

 京都の小劇場として親しまれてきた人間座スタジオ(京都市左京区下鴨東高木町)が、今月末で劇場としての貸し出しを終了し、稽古場と映像スタジオの利用に限ることが分かった。劇場が建てられない地域に立地していることが市の指摘で判明したという。

 スタジオは1957年に結成された劇団人間座が設立した稽古場。2000年ごろから同劇団が公演を披露したり、若手劇団に安価で貸し、事実上小劇場として使われてきた。近隣の小劇場閉鎖に伴い、多い時で年間40団体以上が公演の場として利用した。

 昨年、京都市から周辺が劇場が建てられない低層住居専用地域で、一般客向けの公演はできない、との指摘を受けた。同劇団では、来年1月以降、新型コロナウイルスで公演のできない劇団などを対象に、観客を入れない動画配信の収録に限って貸し出し、劇場は別の場所で建設を検討することにした。

 劇団代表の菱井喜美子さん(78)は「かつては劇団が稽古場でお客を入れて上演することは広く行われていて、その延長線のつもりだった」と話す。多くの学生やキャリアの短い俳優の公演を見守ってきた菱井さんは「ここで初舞台を経験して、有名になった俳優さんがお礼を言いに来てくれるのが楽しみだった。減り続ける小劇場を守れないのは残念だが、仕方ない」と話した。