大手電力10社でつくる電気事業連合会が、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設(青森県むつ市)の共同利用を検討していることが明らかになった。

 同施設は東京電力ホールディングスと日本原子力発電が出資し、両社の燃料受け入れを前提に建設している。共同利用が実現すれば、関西電力など原発を持つ他の電力会社も搬入が可能になる。

 関電は運転開始から40年を超えた美浜原発3号機(福井県美浜町)や高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働を目指している。福井県はその条件として、中間貯蔵施設の県外候補地を年内に示すよう求めている。

 候補地選びが難航する中、電力業界が一体となって関電を支援する狙いは明らかだ。再稼働ありきの奇策だと言わざるを得ない。全国の使用済み核燃料が集まることにつながりかねず、むつ市長が不快感を示したのは当然だ。

 使用済み核燃料をどうするかは電力各社の共通課題になっている。行き場のない「核ごみ」を増やし続ける原発の在り方から根本的に議論を深めねばならない。

 むつ市の中間貯蔵施設は、原発の敷地外に設けられる国内初の専用施設だ。東電と原電の原発から出る使用済み核燃料計5千トンを最長50年間保管する計画で、来年度の操業開始が予定されている。

 電力各社は現在、原発内のプールなどに使用済み核燃料を保管している。電事連によると、すでに全貯蔵容量の7割を超えており、限界に近づきつつある。

 東電と原電に稼働している原発はなく、共同利用によって貯蔵施設を有効活用できるとの考えもあるようだ。東電福島第1原発の事故で原発の新設や増設が見込めない中、老朽原発の稼働延長に道筋をつけて経営改善を急ぎたい各社の思惑も透ける。

 ただ、中間貯蔵施設はあくまで国の「核燃料サイクル」に位置づけられた一時保管場所だ。集められた使用済み核燃料は再処理工場へ搬出され、抽出したプルトニウムやウランを再び燃料に加工して繰り返し利用することが前提となっている。

 だが、そのサイクルは事実上、破綻している。再処理工場は完成延期が続き、再利用の中核だった高速増殖炉開発も頓挫している。

 見通しもなく核燃料サイクルに固執する政府の責任は大きい。中間貯蔵施設をなし崩しに最終処分場とするようなことがあってはならない。