体を揺らしながら内陣を回り、念仏を唱える僧侶(13日、京都市東山区・六波羅蜜寺)

体を揺らしながら内陣を回り、念仏を唱える僧侶(13日、京都市東山区・六波羅蜜寺)

 平安時代の京都で念仏を広めた僧の空也にちなんだ「空也踊躍(ゆやく)念仏」が、京都市東山区の六波羅蜜寺で連日営まれている。師走の冷たい風が吹き付ける夕暮れの境内に「モーダーナンマイトー」と独特の節回しで唱える念仏の声が響き、参拝者が静かに手を合わせている。

 悪疫退散への願いから始まった念仏に起源を持ち、鎌倉時代に念仏が弾圧された時から代々の住職が口伝で継承してきた。外部に聞かれても分かりにくいよう「南無阿弥陀仏」とは唱えず、また人々の目に付きにくい時間帯を選んで営むなど、京の街にひっそりと伝わってきた。

 初日を迎えた13日、川崎純性住職が午後4時の開始を前に、約70人の参拝者に向けて「1年の罪を悔い改め、新しい年の悪疫退散と幸せを祈る念仏。ぜひ一緒に唱えてください」と呼び掛けた。本堂内陣での読経や真言に続いて、僧侶が「金鼓(ごんぐ)」を打ち鳴らしながら念仏を唱え始めると、外陣にも小声で「モーダーナンマイトー」と唱える声が広がった。

 東京から訪れた男性(71)は「空也上人の気持ちが伝わってくるような念仏。コロナ禍が収まり、みんなが平和に暮らせるよう祈って唱えました」と話した。

 31日まで毎日午後4時から営まれる。公開は30日まで。