移住者が入居する家から不要品を搬出する住民たち(南丹市園部町天引)

移住者が入居する家から不要品を搬出する住民たち(南丹市園部町天引)

 京都府南丹市園部町天引の住民が、空き家を生かした移住者の受け入れを強化している。空き家に大量に眠る不要品の搬出を住民が手助けして移住者の負担を減らす。協力を通じて「歓迎」の姿勢を示し、溶け込んでもらいやすくする狙いもあり、一歩踏み込んだ対応で移住者を迎え入れる。

 天引は、景勝地「るり渓」に近く、豊かな自然が広がる。半世紀前に500人近かった人口は、現在は約160人に減った。65歳以上の比率は47%に達する。空き家は6戸で、徐々に増えている。

 地域の活力を維持しようと、元区長の奥村将治さん(77)が中心となって空き家対策会議を2019年に設立。移住時の懸案となる「掃除」に着目して、住民有志で協力することとした。

 京都市南区の自営業堀尾猛さん(46)と会社員奥村さつきさん(55)が12月から暮らし始めた築100年以上の古民家を掃除した。布団や食器類、マッサージ機などを住民7人で運び出し、コンテナに積み込んだ。里山の景観を気に入り、将来は農業をしたいという奥村さんは「家財の整理はとても大変なので助かる。優しくしてもらい、早く住みたい思いが高まった」と喜んだ。

 古民家は30年以上、人が住んでおらず、維持管理のために風通しなどを毎日していた所有者の西井正夫さん(68)=同町天引=は「住んでもらうことで家がよい状態に保たれるので、ありがたい」と話した。奥村将治さんは「楽しく元気な地域をつくり上げていきたい。移住を増やし、みんなで力を合わせて田と山を守っていきたい」と前を向いた。