本尊を移す法要が行われた菖蒲堂。季節外れの桜が咲いていた(亀岡市西別院町犬甘野)

本尊を移す法要が行われた菖蒲堂。季節外れの桜が咲いていた(亀岡市西別院町犬甘野)

初めて厨子から下ろされた本尊(亀岡市西別院町犬甘野)

初めて厨子から下ろされた本尊(亀岡市西別院町犬甘野)

仏具業者によって運び出される本尊(亀岡市西別院町犬甘野)

仏具業者によって運び出される本尊(亀岡市西別院町犬甘野)

菖蒲堂内に安置されていた本尊の観音立像(中央)と西国三十三所ゆかりの仏像(亀岡市西別院町)

菖蒲堂内に安置されていた本尊の観音立像(中央)と西国三十三所ゆかりの仏像(亀岡市西別院町)

 京都府亀岡市西別院町犬甘野の観音講の拠点「菖蒲(しょうぶ)堂」で、本尊と西国三十三所ゆかりの仏像を同市西竪町の称名寺に移す法要が行われた。菖蒲堂の観音講は高齢化と後継者不足で維持が困難となり、講メンバーが引き受け先を探していたところ、救いの手が差し伸べられた。

 菖蒲堂には、江戸時代後期の作と見られる観音立像と、西国三十三所の本尊を模した仏像33体が安置され、長年、住民らの観音講が守ってきた。20年ほど前から5世帯のみで建物の補修などに取り組み、経済的にも負担が重くなっていた。今年、講解散に向け近隣寺院や市文化資料館への寄贈など検討したが、引き取り手がなかなか決まらない状態だった。

 12日、菖蒲堂で全ての仏像を移す「撥遣(はっけん)供養」が行われた。称名寺の和田真宜住職(41)は「ますますこの地域を見守りたまわんことを」とお経を上げた。法要後には「菖蒲堂とゆかりはなかったが、称名寺は浄土宗で観音様とは縁が深い。資料館に収蔵されるより、お寺で皆がお参りいただける形にできれば思い、引き受けました」と講メンバーに思いを伝えた。

 お経を聞く間、時折涙をぬぐっていた観音講代表の廣瀬一夫さん(79)は、「よくこんな立派な観音さんを作り、長いこと伝えてきたもんやなあと、思いを巡らしていました。ようやく肩の荷を下ろせ、気持ちが軽くなりました」と話していた。

 今後、称名寺内に安置する場所を設けて開眼供養を行い、寺が代々守り継いでいくという。菖蒲堂は解体する予定。