青葉容疑者(2020年5月27日)

青葉容疑者(2020年5月27日)

 昨年7月に京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)が放火され、36人が死亡した事件で、京都地検は16日、殺人や殺人未遂、現住建造物等放火、建造物侵入、銃刀法違反の罪で、無職青葉真司容疑者(42)を起訴した。半年間に及んだ精神鑑定の結果を踏まえ、地検は「青葉被告の刑事責任能力を問えると判断した」としている。


 殺人事件としては平成以降で最悪の犠牲者を出し、国内外に衝撃を与えた事件から約1年5カ月。今後は公判前整理手続きを経て、裁判員裁判で審理される。


 地検は青葉被告の認否や精神鑑定の結果、刑事責任能力を問えると判断した理由を明らかにしなかった。北佳子次席検事は「主張は公判の場で明らかにする」と述べた。


 起訴状によると、青葉被告は昨年7月18日午前10時半ごろ、京アニ第1スタジオに正面玄関から侵入し、バケツに入れたガソリンを1階にいた社員に浴びせかけ、ライターで火を付けて建物を全焼させ、社員70人のうち36人を殺害、32人に重軽傷を負わせたとしている。また、正当な理由なく柳刃包丁6本を携帯したとしている。


 事件による負傷者数は当初、33人とされていたが、地検は起訴段階で32人に変更した。


 青葉被告は今年5月に京都府警に逮捕された際には容疑を認め、京アニの複数作品を挙げて「自分の小説を盗用されて恨みが募っていた」と動機を供述したとされる。被告は京アニに複数の小説作品を応募していたが、形式を満たしておらず一次審査で落選。同社は盗用を否定している。府警は一方的な思い込みの可能性が高いとみていた。


 捜査関係者によると、青葉被告は逮捕時に「(犠牲者数は)2人ぐらいと思っていた。36人も死ぬと思わなかった」と供述。被害の全体像を認識していなかったとみられる一方で、「当初は刃物で襲うつもりだった」「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と、殺意や計画性をうかがわせる供述をしていたとされる。