光浄院客殿の葺き替え作業の様子を見学する参加者ら(大津市園城寺町・三井寺)

光浄院客殿の葺き替え作業の様子を見学する参加者ら(大津市園城寺町・三井寺)

 国宝・光浄院客殿の修理が行われている大津市園城寺町の三井寺で19日、一般市民の見学会があった。参加者らは、こけら葺(ぶき)と呼ばれる伝統技法で屋根を葺く作業を間近で観察。作業の一部の体験もあり、職人の技術の高さを学んだ。

 寺から工事を受託している県教育委員会が、伝統技法を知ってもらおうと開いた。光浄院は三井寺の子院で、来賓をもてなす客殿は桃山時代の1601年に建立された。文化財保護課によると、平安時代の貴族邸宅の寝殿造と、桃山時代の住宅様式の書院造の特徴を持ち合わせる。

 修理は4月に始まり、葺き替えのほか、破損した飾り金具やはがれた漆(しっ)喰(くい)壁を修理し、12月に完了する予定。こけら葺は、厚さ3・6ミリ程度の板を3センチずつずらしながら重ね、竹のくぎでとめていく。瓦とは違い、軒がそる形をきれいに出すことができる。表面を削った板を使わないことで、重ねても適度な隙間が生まれ、乾きやすい効果などがあるという。

 台風19号の影響で12日の見学会は中止になり、この日は4回に分かれて行われた。参加者らは同課の職員から技法の説明を受け、職人が屋根の上で薄い割板を重ねながらすばやく竹のくぎを打ち込んでいく作業に見入り、「すごい」と感心していた。原寸大の板に竹のくぎを打つ体験では、「なかなか板に打ち込めない」と、苦笑しながらも次々と挑戦した。

 大阪府高槻市の会社員森真人さん(60)は「複雑な屋根の形に合わせて復元していくのは職人ならではの技。文化財を修復するには高い技術が必要だと分かった」と話した。