焼肉店が「禁煙」方針を伝えるため、出入り口に掲示したステッカー(京都市西京区)

焼肉店が「禁煙」方針を伝えるため、出入り口に掲示したステッカー(京都市西京区)

 受動喫煙防止を目指す改正健康増進法の全面施行(2020年4月)まで半年になり、京都市内の飲食店で喫煙可能から屋内禁煙に変更する店が出始めている。市も店内表示用のステッカーを作成して約1万5千店に配布し、既存の小規模飲食店が禁煙を見送る場合の手続きを始めるなど、対応に動きだしている。

 京都市西京区の焼き肉店は9月1日から店内禁煙に切り替え、店の入り口に市から配布されたステッカーを貼り出した。1998年の開店時から店内でたばこを自由に吸えるようにしていたが、敷地内の店外に灰皿を移した。中村彰男店長(47)は「たばこを嫌うお客さんが増えてきた状況を踏まえ、全面施行前だが禁煙に踏み切った」と話す。

 中京区のスペイン料理店も9月中旬、ステッカーを貼り出した。同店は開店時から一貫して店内禁煙で、ホームページで周知しているが、木下清孝店長(49)は「ステッカーは加熱式たばこも含めて禁煙だとお客さんに分かってもらいやすい」という。

 改正健康増進法の全面施行により、飲食店やホテル・旅館(客室部分を除く)、事務所、工場などは来年4月以降、「原則屋内禁煙」にする必要がある。全面禁煙のほか、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室の設置でも条件を満たす。

 愛煙家が多く訪れる北区の喫茶店の経営者は、まだ対応方針を決めておらず、もう少し時間をかけて考えたいという。「当面禁煙対応をしなくてもいい既存小規模店に該当するかも調べられていない。例えば喫煙専用室を作るとしても、席の定位置があってそこで吸いたいという常連客もいるので」と悩ましげに語る。

 京都市が今年2月までに市内の飲食店1万2千店から来年4月の対応方針を聞いたところ、「全面禁煙」が67・1%、「喫煙専用室設置」と「加熱式たばこ専用喫煙室設置」が計4・4%で、合わせて71・5%が原則として屋内禁煙になる見込みだ。

 昨年6月時点の調査では禁煙が42・4%、空間分煙・時間分煙が14・6%、喫煙可能が43・0%だったため、全面施行を機に受動喫煙防止が一定進みそうだ。

 一方、飲食店で個人や中小企業が経営する客席面積100平方メートル以下の既存店は、経過措置で当分の間、喫煙可能と表示すれば禁煙を見送ることができる。市の今年2月までのアンケートでは、28・5%が「喫煙可能」にするとした。

 全面禁煙以外のケースは、対応方針を出入り口などで掲示する義務が改正同法で定められた。市は全面禁煙も含めた全てのケースについて多言語とイラストで説明したステッカーを作成し、7月末から順次郵送した。喫煙可能にする場合は市への届け出が必要で、7月1日から中京区に設けた総合相談窓口で受け付けを始め、その際にステッカーを交付している。

 市のステッカーは、全面施行時の対象施設の中でも「特に受動喫煙が生じやすい」として飲食店向けのみ作成しており、「他の施設はそれぞれで作成をお願いしたい」(健康長寿企画課)としている。

 総合相談窓口は中京区三条通寺町東入ル、イシズミ三条ビル地下1階。075(746)6794。平日の午前10時~午後5時。