水稲の株で生息するトビイロウンカ(2019年、京都府京丹後市 府病害虫防除所提供)

水稲の株で生息するトビイロウンカ(2019年、京都府京丹後市 府病害虫防除所提供)

トビイロウンカによる食害で、「坪枯れ」が発生した田んぼ。府内各地で被害が相次いでいる(2019年、京丹後市 府病害虫防除所提供)

トビイロウンカによる食害で、「坪枯れ」が発生した田んぼ。府内各地で被害が相次いでいる(2019年、京丹後市 府病害虫防除所提供)

 京都府長岡京市内の田んぼで、海外から飛来する「トビイロウンカ」の被害が相次いでいる。18日に再開した長岡京市議会12月定例会で、水稲の病害虫被害について、支援策の検討を求める請願書が提出されるなど、農家が危機感を募らせている。

 京都乙訓農業改良普及センター(京都市右京区)によると、トビイロウンカは、海外から季節風や気流に乗って梅雨の時期ごろに飛来するとみられている。繁殖力が強く、収穫を迎える秋までに数千倍に増え、株の汁を吸って稲を枯れさせるという。

 体長が3~4ミリと小さいため、3メートル四方で被害が広がる「坪枯れ」が発生するまで気づかない場合も多く、田んぼ全体で収穫が困難になる可能性もある。これまで九州や中国地方で被害が確認されいたが、2018年から2市1町を含めた府内でも深刻化。府は今年9月、中部と南部地域に、トビイロウンカ発生に関する警報を33年ぶりに発令した。

 同市今里の男性(62)の田んぼでは3割程度の稲が枯れた。「分かった時にはもう手遅れで、どうしようもなかった」と振り返る。今夏は気温が高かったために繁殖の頻度が上がったとみられ、トビイロウンカによる不作が収穫期を問わずに長期で確認された。田植え直後に苗を食べるジャンボタニシも増えており、悩みの種は尽きない。

 12月18日の市議会定例会で、支援を求める請願が全会一致で採択された。男性は「農家の意欲がそがれかねない状況が続いている。西山が育むきれいな水で続けてきた米作りを、行政としてもバックアップしてもらえたらうれしい」と願う。