洛西ニュータウン内の自然を紹介する「池公園新聞」を発行していた三上さん。手にしているのは今年4月の最終号(京都市西京区)

洛西ニュータウン内の自然を紹介する「池公園新聞」を発行していた三上さん。手にしているのは今年4月の最終号(京都市西京区)

自宅近くの新林池公園で木々や草花の特徴などを紹介する三上祥子さん

自宅近くの新林池公園で木々や草花の特徴などを紹介する三上祥子さん

 「あの赤色のドウダンツツジ。今年は特にきれい」「この鳴き声はシジュウカラですね」。三上祥子(みかみ・さちこ)さん(82)=京都市西京区。約2ヘクタールに50種類以上の木々が並ぶ新林池公園(西京区)を散歩しながら、植物や鳥類をつぶさに解説する。2004年から今春までの16年間、主に洛西ニュータウンの自然を写真と文章で紹介する「池公園新聞」を発行してきた。現在でも、紙面の大半をホームページで公開している。

 発行のきっかけは、仕事を定年退職したばかりの夫の陽一さん(82)と自宅近くの新林池公園を散歩したこと。池でカワセミが魚をとらえる様子を初めて目撃した。「こんなすごい光景が身近にあることを多くの人に知ってもらいたかった」と振り返る。

 A3サイズの紙で年に数回製作、地元の小学校など約30カ所で配布した。テーマを毎回変え、春には7種類のサクラ、秋には紅葉した木々が街中を彩る様子を紹介。花言葉や別名、特徴も掲載した。知らない動植物は図鑑やインターネットで調べたほか、京都府立植物園(左京区)の専門家に写真や標本を見せて尋ねた。「多様な生き物がいて、毎年違った風景を見せてくれた。発見の連続で、ずっと楽しかった」

 高齢を理由に、2020年4月発行の60号を最終号にした。ファンからは存続を望む声が寄せられたが、「年をとって思うように取材ができなくなった。カメラも重いと感じるようになってきた」と苦笑する。

 取材で撮影した写真はアルバム約40冊分、1万枚を超えた。今でも、西京区役所の広報誌にある洛西ニュータウン内の自然を紹介するコーナーに写真を提供している。

 今月には、趣味で何度も訪れている兵庫県立大西はりま天文台(兵庫県佐用町)で拾い集めた落ち葉でつくったアート作品と自作の詩をまとめた「西はりま天文台には宇宙人がいた」(海青社)を出版した。「次は洛西の生き物をテーマにした本を出版したいですね」。自然を愛する気持ちは衰えない。