抗ウイルス加工を施したおみくじの「振り箱」と棒(京都市伏見区・伏見稲荷大社)

抗ウイルス加工を施したおみくじの「振り箱」と棒(京都市伏見区・伏見稲荷大社)

研修会場でフェースシールドと手袋を受け取る巫女たち(京都市上京区・北野天満宮)

研修会場でフェースシールドと手袋を受け取る巫女たち(京都市上京区・北野天満宮)

初詣の参拝者で混雑する多賀大社の境内(2020年1月、滋賀県多賀町)

初詣の参拝者で混雑する多賀大社の境内(2020年1月、滋賀県多賀町)

 新型コロナウイルス収束が見通せない中で新年の参拝者を迎える神社。各神社は、安心して参ってもらうための対策に苦心している。正月品の授与所カウンターからおみくじの道具まで徹底して抗ウイルス加工を施した神社があれば、分散参拝を呼び掛けるため年内から正月の縁起物を授与する神社も。例年以上の願いを込めて初詣のお参りする人も少なくないとみられ、迎える側も万全の態勢で臨む。

 「お渡ししたフェースシールドと手袋は当日忘れずに持ってきてください」。今月5日に北野天満宮(京都市上京区)であった巫女(みこ)の研修会で、神原孝至総務部長が呼び掛けた。自身もマスクにフェースシールド姿だ。12月31日~1月7日にかけて同天満宮で臨時の巫女を務める女性は120人。例年の研修会ではお守りやお札の渡し方や神社独特のあいさつなどをみっちり学ぶが、今年は簡単な説明に続いて自宅学習用のマニュアルを手渡すのみで終わった。「全員が1カ所に集まる時間をできるだけ短くしたい。フェースシールドと手袋は感染拡大の状況や神社の混み具合によって使うかどうか決めたい」。広報担当の東川楠彦さん(37)が話す。

 伏見稲荷大社(伏見区)は、おみくじの「振り箱」やおみくじの番号が書かれた棒、金銭受け渡しに使うトレーなど参拝者の手が触れるものを挙げ、専門業者に依頼して抗ウイルス加工を施した。境内の千本鳥居をくぐった先にある「おもかる石」は、持ち上げた時に感じる重さで願い事の成就を占う石。多くの参拝者の手に触れることが予想されるため、現地でウイルス加工を施したという。同大社の広報担当者は「振り箱の台を覆うシートも加工済み。安心してお参りしてもらえます」と胸を張る。

 滋賀県内で有数の参拝者を迎える多賀大社(多賀町)は、破魔矢や熊手など例年は元旦から取り扱う縁起物の授与を今年は12月15日に開始した。1月中は午前10時~午後2時ごろが最も混み合う時間帯といい、神社ではホームページで授与所の開設時間を公開して分散参拝を呼び掛けている。

 芸の奉納行事や参拝者接待を中止する神社も多い。平安神宮(左京区)の能、下鴨神社(同区)の謡曲、上賀茂神社(北区)の舞楽などが中止となる。参拝者が集まり行列する甘酒やぜんざい、かす汁などの接待は、大半の神社が取りやめる。また、西脇隆俊府知事は、できるだけ分散して参拝し、境内では大声での会話や飲食を控えるよう呼び掛けている。