京都府内で新型コロナウイルスの感染者が急増し、医療が逼迫(ひっぱく)しつつある。

 コロナの重症患者を受け入れる府内14病院が緊急声明を出した。救急医療に対応する余力がなくなりつつあり、通常の業務にも影響が出始めていると危機感をあらわにした。新規感染を抑え、何としても医療崩壊を回避しなければならない。

 府内の重症患者病床は86床で、17日時点ではうち8床を使っている。ただ、病院側は、実際に運用可能な病床は少ないと強調する。コロナ患者に人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使用するために、別の患者が手術を受けられなくなり転院するようなケースもあったという。

 毎年冬には脳卒中や心筋梗塞などの患者が増える。これらの患者が治療の機会を失うようなことがあってはならない。

 府内の新規感染者は16日に過去最多の97人。17、18日も80人前後に上った。府によると、11月以降では4分の1が会食を起因とした感染で、これらの会場の95%が京都市内だった。

 こうした状況を受け、府は、同市内の酒類を提供する飲食店などに21日から来年1月11日まで、営業時間を午後9時までに短縮するよう要請した。

 対象は居酒屋やスナック、カラオケ店など約7千店に上る見込みだ。年末年始の書き入れ時に当たり、事業者への影響は計り知れない。

 要請に応じた店には1日当たり4万円の協力金が支払われる。運転資金の貸し付けや助成などの支援と相談の体制も手厚くしてほしい。

 例年なら、忘年会やクリスマスなど何かと行事が多い時期だ。しかし、このような状況においては、府民が危機感を持ち、不要不急な外出や多人数での会食を控えることが感染収束に欠かせない。帰省や初詣を控えるなどの検討も必要となろう。

 感染拡大への対策が必要なのは京都だけではない。

 東京や大阪、北海道、愛知でも、感染者数などが、政府の分科会の基準で最も深刻な「ステージ4」の指標を超えている。感染者が過去最多を更新する地域が相次ぐなどピークは見通せておらず、経路が不明の患者が多いのも気がかりだ。

 年末年始に向け、各自治体は連携を深め、医療検査体制の確保や住民への呼び掛けなど感染抑制に向けた施策を強化するべきだ。