たすきを待つ間、マスクをつけて体を動かす選手たち(京都市北区・第3中継所)

たすきを待つ間、マスクをつけて体を動かす選手たち(京都市北区・第3中継所)

医療用ガウンやゴーグルを着用して選手を誘導する競技役員ら (京都市北区・第5中継所)

医療用ガウンやゴーグルを着用して選手を誘導する競技役員ら (京都市北区・第5中継所)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、中止が相次いできた全国規模のレースが都大路で初めて開催された。20日に行われた全国高校駅伝。運営側は競技場の入場管理や応援の自粛要請など異例の厳戒態勢で臨んだ。緊張を強いられた選手たちは全力を尽くし、沿道から無言の拍手で励まされる場面も見られた。

 発着点となるたけびしスタジアム京都(京都市右京区)周辺は、スタートの号砲が近づいても静かなまま。応援自粛が呼び掛けられ、例年の熱気は感じられない。公園周辺を毎日散歩するという近くの男性(75)は「高校駅伝と全国女子駅伝は恒例行事で楽しみにしている。沿道や競技場で応援できないのはさびしいね」と残念そう。

 レースが始まり、沿道には少しずつマスク姿の人が増えてきた。コース沿いに観客が並ぶ場面もあったが、選手が近づいても声援は控えて拍手で後押し。ボランティア活動からの帰宅途中に通りがかった女性(60)=左京区=は「想像より間隔を空けて応援している人が多い。大会が無事に開催できて良かったと思う」と話した。


 たすきを受け渡す中継所では、マスクとフェースガードを両方つけた競技役員が慌ただしく動き回る姿が目立った。医療用ガウンを着た役員や補助員も待機、走り終わった選手を誘導した。走り出す直前までマスクをつけたままの選手もいて緊張感が漂った。会社員男性(59)=大阪府枚方市=は「走っている選手はもちろん、感染対策を徹底しながら一生懸命支えているスタッフの姿にも感動した。こちらが元気をもらったよう」と裏方をねぎらった。

 ゴール後の閉会式は行われず、男女とも8位までの入賞チームだけが表彰式に参加した。他のチームは余韻に浸る間もなく、速やかに競技場を後にした。旭川龍谷高(北海道)の阿部文仁監督(44)は「病院でクラスターが発生し、旭川市内はかなり緊張感が高まっていた。京都に来てからも緊張しながら、練習や宿舎で感染対策に気を遣った」と大会が無事に終わり、安堵の表情を浮かべた。


 1区を走った大阪薫英女学院高の安なつ美選手(3年)は「検温がスタート直前にあって少しばたついた。でも都大路を走れただけで感謝」と笑顔で話す。大会事務局次長で京都府高体連陸上専門部の渡辺為彦委員長(55)=西京高=は「開催を後押ししてくれる声を多く聞いたが、不安を感じる市民もいたと思う。多くの人の協力のおかげで無事に大会を終えることができた」と感謝した。