金メダルしかいらない―。かつてこう語った野球の監督がいた。オリンピアンにとって金は夢か、目標か、憧れか▼歴史を振り返ると、古代五輪の優勝者に贈られたのはオリーブの冠だった。近代五輪の第1回アテネ大会(1896年)の優勝メダルは金ではなく銀、後には長方形の金メダルもあった▼来年の東京大会の金は勝者をどう輝かせるのだろう。大会史上初のリサイクル金属によるメダルである。使用済みの小型家電や携帯電話といった「都市鉱山」から取り出した素材で作られる。集まった家電は約7万トン、携帯は600万台以上といい、良くも悪くも時代を映す▼きょうはリサイクルの日。月日の10と20から「物がひと回り、ふた回り」するという語呂合わせにちなむ▼こちらの金も、ぐるぐると回ったのだろうか。関西電力の役員らによる金品受領問題で、「原発マネー」の還流が疑われている。多額の現金のほか、金貨や金杯、小判形の金…。町の元助役と建設会社、関電役員の間を巡る不透明な金は、それぞれの欲望を象徴するよう▼リサイクルの目的は、ごみを減らし、資源・エネルギーの無駄遣いをなくすこと。その前に、疑惑の闇から送られる電力ならば御免被りたい。電力消費量と関電の行方、どちらも厳しいチェックが欠かせない。