西山美香さん

西山美香さん

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に患者を死亡させたとして殺人罪で懲役12年の判決が確定し服役後、今年3月に再審で無罪判決(確定)を受けた元看護助手西山美香さん(40)=同県彦根市=が25日に国や滋賀県を相手に国家賠償請求訴訟を大津地裁に起こすことを決め、21日、弁護団が概要を明らかにした。請求額は約4300万円で、冤罪(えんざい)につながった県警の捜査や検察の公判活動などの実態解明を目指す。

 弁護団によると、県に対しては、県警が西山さんの迎合しやすい特性や捜査員への恋愛感情を利用して「自白」に追い込んだとされる点や、医師が患者の事故死の可能性に言及し、西山さんに有利となる捜査報告書を検察に送らなかった点などを違法と主張する。

 国についても、大津地検が県警の不当捜査を見過ごして不適切な起訴判断をしたほか、大阪高裁が17年12月に再審開始決定を出した後、大阪高検が理由なく特別抗告をし、無罪獲得を遅らせたとして追及する。

 請求額は、西山さんが04年の逮捕以降に受けた精神的、経済的損害などが計1億300万円と算定した上で、10月に大津地裁が交付を決定した刑事補償金約5997万円を差し引いた。

 大津地裁は再審判決で、同病院の患者の死亡について、そもそも殺人事件でなかった可能性が高いと判断。西山さんの「自白」の信用性や任意性を否定し、取り調べ刑事への恋愛感情を利用して自白を誘導するなどした県警の捜査の不当性を認めた。