「ウエダ本社」のサテライトオフィスとして改装中の旧料亭(与謝野町岩滝)

「ウエダ本社」のサテライトオフィスとして改装中の旧料亭(与謝野町岩滝)

丹後由良海水浴場に面したリゾートオフィスの建設予定地を眺めるカスタネットの植木社長(宮津市由良)

丹後由良海水浴場に面したリゾートオフィスの建設予定地を眺めるカスタネットの植木社長(宮津市由良)

 豊かな自然など社員が快適に働ける環境を求めて、京都府の丹後地域にサテライトオフィスを構える京都市内の企業が増えている。新型コロナウイルスの影響でテレワーク環境の整備が進んだことも追い風となり、企業の「地方回帰」の機運が高まりつつある。

 日本海を望む丹後由良海水浴場。砂浜に面した空き地に、オフィス・防災用品の販売のカスタネット(京都市南区)がリゾートオフィスの建設を進める。平屋建ての建物に、本社のバックアップサーバーや会議室を備える。植木力社長(62)は「自然が豊かな田舎は、新しいアイデアが生まれやすい」と話す。

 オフィス設計などを手掛けるウエダ本社(下京区)。3年前に廃業した与謝野町岩滝の料亭「當里屋」を改修し、自社のサテライトオフィスや、都会と地域の人が交わるソーシャルビジネスの場に活用する。

 人材派遣大手のパソナグループが、本社機能の一部を兵庫県の淡路島に移すと発表するなど、企業が地方へ移転するケースは全国でも相次いでいる。東京都内上場企業の26%が本社部署の移転や縮小を検討しているという国土交通省の調査もあり、オフィス概念の見直しが進む。ウエダ本社の岡本充泰社長(57)は「コロナ禍のリモートワークを経て、働く場所の制限が無くなりつつある」と語る。

 行政も、サテライトオフィスの誘致に積極的に取り組む。府ものづくり振興課は、ホームページで企業向けに亀岡市以北のサテライトオフィスの事例を紹介。「テレワークの広がりは、地方が働く場として注目されるチャンス」と意気込む。

 与謝野町は、阿蘇海に面したエリアでの新規創業や企業誘致に取り組む「阿蘇ベイエリアプロジェクト」を2015年から展開してきた。山添藤真町長は「活用できる空き家の情報を提供するなど、地域を盛り上げてくれる会社の移転を促していきたい」と話していた。