科学技術立国を目指すと政府はいうが、その足元はどうなっているのだろう。

 小4と中2に当たる学年の子どもを対象にした昨年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果が先日、公表された。

 日本の平均得点は、小中全てで上位5位以内に入って、トップレベルを維持した。

 算数(数学)や理科を学ぶのは楽しい、とする子どもも増えている。

 「理数嫌い」が、この結果通りに改善されているのなら、見通しは明るいといえよう。

 TIMSSは、児童・生徒の基礎的な知識の習得度合いを調べるために、国際教育到達度評価学会(IEA)が4年に1度、実施している。

 今回、参加した国・地域は、小4が58、中2が39だった。

 この中で、日本がトップレベルにあるのは間違いない。

 ただ、小中の全教科で成績上位のほとんどが、アジア勢で占められていることを知っておきたい。トップは、いずれもシンガポールで、台湾、香港、韓国などが続いている。

 上位の中で、日本は今回、中2数学で、過去最高点を取って順位を一つ上げ、4位となった。

 一方で、理科は点数が下がり、小4が4位、中2が3位と、いずれも順位を一つ下げた。

 科学技術力を背景にしたものづくりで、国際的に競合する国・地域と比較すると優位といえず、安閑とはできない状況だ。

 質問紙調査に対し、勉強が楽しいと答えた割合は増えている。しかし、国際平均を超えたのは、小4理科だけで、ほかは7~14ポイントも下回った。

 今後も、成績上位を続けていくには、不安な要素となろう。

 かつての「ゆとり教育」による学力低下を批判され、文部科学省は理数系の学習内容や授業時間を増やしてきた。結果について「学校や教育委員会による積極的な取り組みの成果」と評価する。

 その半面で、教員らが過重な負担に耐えてきたから達成できた、とする指摘がある。

 今回の調査から、コンピューターを利用した回答方法も採用されたが、日本は情報通信技術(ICT)の環境が整っていないとして、従来の紙形式で実施した。デジタル化の遅れも明らかだ。

 義務教育の理数系に、ヒト、モノを手厚く配分しておくことが、肝要ではなかろうか。