カジノで有名なマカオは昨年、香港や中国・珠海と、世界最長の海上橋で結ばれた。日本からも手近になった異国のカジノでは昼夜を問わず巨額のカネが動く▼政府が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の「椅子取りゲーム」に大阪や横浜など8地域が名乗りを上げた。巨大ホテルや国際会議場の併設が必須で、マカオの光景が目に浮かぶ▼ポルトガル統治時の趣ある旧市街が残るが、かつて香港旅行のおまけ的な存在だった。それがマカオ半島沖にある二つの島の間を埋め立て、新たにリゾート地区を造成。米国ラスベガスの資本も進出し、全室スイートといったホテルが続々と登場した▼豪華なホテルは大規模なショッピング街や劇場などを完備。メインの巨大カジノにはギャンブルに興じるテーブルやスロットマシンがずらりと並ぶ▼主役は中国人富裕層だ。長引く香港デモや米中貿易摩擦で伸び悩み気味とはいえ、今年上半期のカジノ総収入は2兆円余り。本場ラスベガスをしのぐ活況という▼日本でも経済効果や雇用創出を期待し、当面は最大3カ所のIRの誘致合戦が始まりそうだが、さて捕らぬたぬきの皮算用とならないか。ましてギャンブル依存症増加や治安悪化の懸念も拭えない。賭け事ゆえに丁半、いや明暗をしかと見極めたい。