混雑する京の繁華街。コロナ禍以前は大勢の外国人観光客や市民らが行き交っていた(2018年10月、京都市下京区四条通河原町西入ル)

混雑する京の繁華街。コロナ禍以前は大勢の外国人観光客や市民らが行き交っていた(2018年10月、京都市下京区四条通河原町西入ル)

 京都市は、2021年度から5年間の観光施策の方向性を示した次期観光振興計画の中間案を明らかにした。外国人観光客の急増で市民生活に影響を及ぼした近年の反省を踏まえ、目指す姿を「持続可能な観光」とし、地域の課題解決につながる新たな観光の推進に取り組むとしている。

 14年10月に策定した現行計画は「世界があこがれる観光都市」を目指し、観光消費額1兆円、外国人宿泊客数300万人を数値目標に定めた。市は観光資源の発掘やプロモーションを進め、目標は前倒しで達成。しかし、観光客の急増はマナー違反による市民との摩擦や交通機関の混雑といった弊害をもたらし、「観光公害」とも呼ばれた。

 次期計画では、そうした課題を踏まえ、観光客の分散化や広域観光の推進による混雑対策の強化▽市民が実感できる観光効果の見える化▽京都駅周辺など新しいエリアでのにぎわい創出▽リピーター向けの取り組みの充実▽観光業で働く人の誇りや働きがいの向上―などの77の取り組みを進める。

 ウィズコロナ下の取り組みとしては、登山やサイクリングなど屋外で行う観光コンテンツの充実▽厳しい状況に置かれた観光事業者向けの支援▽衛生対策を含めた観光マナーの啓発―など6項目を挙げた。

 計画の達成度合いを図る指標(KPI)には、混雑やマナー面で観光が市民生活にどの程度影響を与えているかや、観光消費額単価、観光業で働く人の満足度などを挙げる。ただ、具体的な数値目標はコロナ禍による観光の見通しの不透明さを理由に明示していない。一方、現行計画で数値目標を定めている観光消費額や宿泊客数は指標に含まれていない。

 中間案は2020年12月26日から2021年2月1日まで市民意見を募集する。