復曲された能「篁」で、豪壮な舞で憤怒を表す味方玄さん演じる篁(23日午後2時29分、京都市左京区・京都観世会館)

復曲された能「篁」で、豪壮な舞で憤怒を表す味方玄さん演じる篁(23日午後2時29分、京都市左京区・京都観世会館)

 冥土通い伝説のある平安時代の公卿、小野篁[たかむら](802~852年)ゆかりの能「篁」が500年以上の時を経て復曲され、京都市内で23日、初披露された。室町時代の作で、詞章や装束を記した本は伝わるものの、上演記録がなく「幻の能」とされてきた。京都観世会(片山九郎右衛門会長)が謡の節や舞などの所作を2年がかりで考察復元し、迫力ある上演にこぎつけた。

 能「篁」は、篁が生きた400年後の鎌倉時代が舞台。隠岐の島(現島根県)に流された後鳥羽院が、かつて同じように隠岐に流された篁の塚を弔うと、地獄の冥官[みょうかん]姿の篁の霊が現れ憤怒を激発。逆らう者を地獄に落としていく。後鳥羽院の心情を篁に重ね、都や和歌への思いをにじませる内容になっている。

 京都観世会館(左京区)での初披露では、能楽師の味方玄[しずか]さん(54)演じる篁が「舞働[まいばたらき]」と呼ばれる豪壮な舞を見せた。終演後の会見で玄さんは「篁の足跡が多く残る京都での復曲。今につなげる意義は大きい」と力を込めた。来年2月13日の本公演で改めて披露する。