地面がわずかに浮き上がり、引かれたラインがゆがんで見える人工芝グラウンド(滋賀県長浜市田村町・長浜バイオ大学ドーム)

地面がわずかに浮き上がり、引かれたラインがゆがんで見える人工芝グラウンド(滋賀県長浜市田村町・長浜バイオ大学ドーム)

 2022年ワールドマスターズゲームズ関西、25年滋賀国体(国民スポーツ大会)の会場となる滋賀県立の長浜バイオ大学ドーム(長浜市)の人工芝グラウンドに1~2センチほど浮き上がった箇所があることに、懸念の声が出ている。凹凸が特に目立っていた箇所は補修済みで「競技の公平性や安全面に支障はない」とする県に対し、一部の県議が「対応が不十分」と批判を展開。平行線をたどっている。

 「追加予算で対応するのが当然」「すぐ補修すべきで残念な対応だ」。昨年12月14日に開かれた県議会教育・文化スポーツ常任委員会で、複数の会派の県議が語気を強めた。

 同グラウンドの人工芝は、国スポに向けた調査で亀裂や摩耗が指摘され、一昨年冬に県が張り替え工事を実施した。その際、全8800平方メートルのうち浮き上がりが目立つ南東部約1200平方メートルの下地のアスファルトを敷き直したが、残りの数カ所の浮き上がりは補修しなかった。

 県によると、ドームは琵琶湖岸近くの軟弱地盤の上にあるため、地盤沈下の影響で凹凸が生じるという。張り替え費用は1億5800万円、工期は約3カ月。県は「全面補修すると倍の工事費が必要。張り替えの設計段階でグラウンドの状況を把握したが、最大の課題は人工芝の劣化と認識しており、利用中止期間を延期せず、予算の範囲内で収めることを優先した」と説明する。

 ドームは1992年に開設され、テニスやグラウンドゴルフ、展示会などに使われている。ワールドマスターズではホッケー、国スポでは相撲の実施が予定されており、県によると、マスターズのホッケー競技を担当する実行委が一昨年夏に視察した際には改善要望は出なかったという。

 ただ、実行委事務局の米原市生涯学習課は「グラウンドはフラットだという前提で、隅々まで確認する訳ではない。事務局としては正直、今まで把握していなかった」とする。

 12月中旬、同ドームで開かれたグラウンドゴルフ愛好者ら約500人による大会に参加した男性(77)=長浜市=は「プレーに差し支えるほどではない」としながらも、「ボールが曲がるのを考慮して打たなければならない」と話した。

 県スポーツ課は「補修工事前に利用者らの指摘があれば何らかの対応ができたかもしれないが、レジャー使用が多い施設で、予算を追加してまで補修する必要はないと判断した。今の状況では特段対応は考えていない」とする。

 これに対し県議の一人は、04年の張り替えの際は下地のアスファルト層も全面敷き直したことを挙げ、「後から別の工事を追加すれば費用が膨らむ。最初から全面補修すべきで、公共工事の在り方としてずさん」と批判し、双方の隔たりは埋まっていない。