「今年の漢字」で最多得票は「密」。2位は「禍」だった(14日、京都市東山区・清水寺)=代表撮影

「今年の漢字」で最多得票は「密」。2位は「禍」だった(14日、京都市東山区・清水寺)=代表撮影

 1年の世相を表す1文字を市民の投票で決める師走恒例の「今年の漢字」(日本漢字能力検定協会主催)。新型コロナウイルスが猛威を振るった2020年は「密」が最多得票だったが、実はもう一つ、耳目を集めた漢字がある。皆さん、どの字だと思いますか。

 同協会(京都市東山区)によると、漢字・慣用句などの読み方や意味が調べられるサイト「漢字ペディア」で検索数が前年比4・5倍と急増したのは「か・わざわ(い)・まが」と読む「禍」だった。特にメディアが「コロナ禍」と報じ始めた3~4月に多く検索されたという。

 「禍」は「今年の漢字」でも2番目に多い1万3655票(得票率6・56%)を得た。わざわいや不幸せの意味を持ち、戦争による被害を表す「戦禍」などで使われる。

 ただ通常、わざわいの漢字には「災」が用いられるのが一般的で、26年の歴史がある「今年の漢字」でも1位に2回、登場する。「禍」のような日常であまり使わない漢字が上位になるのは珍しく、924票を得た「渦」の票の中には、「禍」と思い違えて投票したとみられるものもあったという。

 「災」と「禍」の違いについて、同協会の研究員は「厳密に使い分けるのは難しいが、『舌禍』などと用いるように不幸の原因やきっかけを強く意識している場合は禍が使われることが多いという説がある」と解説する。

 「今年の漢字」では、「乱」や「変」といった特定の漢字が繰り返し上位にランクインする傾向があるが、新型コロナウイルス感染拡大で生活様式が一変した20年は上位20位のうち、「家」「疫」など11字が始めて登場する異例の結果となった。同協会の担当者は「社会の在り方が大きく変わったことを反映しているのでは」と話す。