国家賠償請求訴訟への決意を語る西山さん(25日午前10時45分、大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館)

国家賠償請求訴訟への決意を語る西山さん(25日午前10時45分、大津市梅林1丁目・滋賀弁護士会館)

 「もう冤罪(えんざい)を生まないでほしい」。湖東記念病院での患者死亡を巡る捜査の実態解明を目指し、国家賠償請求訴訟を起こした元看護助手西山美香さん(41)は25日、大津市の滋賀弁護士会館で会見し、再び法廷に立つ意義を語った。

 無罪判決後、滋賀県警や大津地検から直接の謝罪はなく、「悪いことをしたら謝るべき」と厳しい目線を向ける。県内では自身の冤罪のほかにも、遺族らが無実を訴えている「日野町事件」があり、早期の再審公判開始を願う思いを募らせる。9月には証拠の歯型を取り違えながら、乳児へのかみつきを「自白」した母親を誤認逮捕した不祥事も発覚し、「県警は今も冤罪をつくる捜査をしている」と批判。こうした状況もあり、提訴の意思を固めた。

 25日は、3年前に大阪高検が再審開始決定に対し特別抗告した日。「決定に喜んでいた矢先だった。特別抗告でどれだけ私たち家族がつらい思いをしたか、知ってほしかった」との思いがあり、提訴日に決めた。

 西山さんは今月から、彦根市の自宅近くの高齢者施設に勤務し、介護資格取得を目指している。「おばあちゃん子だった」が、2人の祖母は一審公判中や服役中に亡くなった。「おばあちゃんにできなかったことを利用者にできることがうれしい」と語る。

 26日で41歳となり、本来は一人の女性として平穏な生活を送りたい。提訴で再び社会の注目を浴び、心身の負担は大きい。それでも、この間、同じ冤罪被害者らから応援などを受け、「私が国賠を起こすことで勇気づけられる人がたくさんいる。絶対に勝つつもりで頑張りたい」。冤罪問題を社会に提起する使命感を口にした。