本がぎっしりと並ぶ書庫棟の集密書架。側面に通気用の小さな穴を開けて密を避けている(京都府精華町精華台・国立国会図書館関西館)

本がぎっしりと並ぶ書庫棟の集密書架。側面に通気用の小さな穴を開けて密を避けている(京都府精華町精華台・国立国会図書館関西館)

資料が詰まったコンテナが積み上がる本館の自動書庫

資料が詰まったコンテナが積み上がる本館の自動書庫

 京都府精華町精華台の国立国会図書館関西館で、約500万冊が収まる新しい書庫棟に資料の搬入が続いている。「“集密”書架」に通気性を確保しつつぎっしりと並べる。同館は「国内のあらゆる出版物を集め、保管し続けていく」とする。

 棚を横にスライドできる集密書架は、棚の間に通路を設ける固定式書架に比べて約2倍の資料を密に保管できる。同館は2002年にオープンした当初から、コンテナに入った資料をクレーンで出し入れする「自動書庫」や集密書架など、約600万冊(1冊幅3センチ換算)を収納できる書庫を本館に備える。

 だが、近年は手狭になっていたため、地上7階、地下1階建ての書庫棟を昨年2月に新設し、収蔵能力がほぼ倍増した。本館の書庫から外国語の雑誌など50万点、東京本館(東京都千代田区)からも古い新聞や洋書など100万点ほどを運び込んでいるが、膨大な作業は来年度末までかかるという。

 巨大な書庫棟の書架は総延長約161キロ。同館は「網羅的に収集することは永久不変の使命」とし、資料を良い状態で保管し続ける工夫が詰まっている。

 紙資料の保存に欠かせない温湿度管理のため壁と扉を二重に作り、外気の影響を小さくしている。室内に所狭しと並ぶ集密書架には、通気性を良くするために側面に多数の小さな穴を開けた新型を導入。韓国語やアラビア語の雑誌、明治時代の新聞など貴重な資料がそろっている。

 「密に並べると空気がよどんでカビが生じやすい。本にとっても換気は大切」と担当者は語り、靴に付いたカビを持ち込まないように書庫を土足厳禁にするなど注意を払う。

 同館は所蔵資料をオンラインで公開する「国立国会図書館デジタルコレクション」などに力を入れ、書庫棟の資料は電子化が済んでいる。利用頻度が低いものも多いというが、「研究などのため原本を閲覧する人はおり、デジタル技術も進歩している」とし、将来的にも保管スペースを確保し続ける予定だ。

 インターネット上に情報が氾濫する中、同館は「信頼度の高い資料を網羅的にそろえているので利用しに来てほしい」と呼び掛ける。さらに各地の図書館と「レファレンス協同データベース」を構築。利用者からの問い合わせ事例などをまとめて各館をサポートし、一般市民へ検索サービスも提供する。貴重な資料や情報を生かし、「利用者や図書館を支援する全国的な拠点」を目指す。