「洛外」と呼ばれる京都市郊外で、バケツに張った氷を手にする小学生(京都市北区)

「洛外」と呼ばれる京都市郊外で、バケツに張った氷を手にする小学生(京都市北区)

 「札幌から来た人が『京都は北海道より寒い』て言うてはったわ」と言われるほど、京都の冬は底冷えが厳しいとされる。盆地にある京都市は、風が弱く冬晴れが多いため、放射冷却現象が起こりやすく、確かに朝晩の寒さは厳しい。でも、本当に他の都市より「寒い」のだろうか。

 気象庁のデータによると、1月の京都市の平均最低気温は1・2度、気温が氷点下になる冬日数は一冬で平均22・9日だ。

 関西の他の都市と比べてみる。平均最低気温は、大阪市(2・8度)や神戸市(2・7度)を1度以上下回る。ただ、大津市(0・5度)や奈良市(氷点下0・2度)の方が低い。では、なぜ京都ばかり寒いと言われるのだろう。

 湿度のせいか。湿度が低いと、肌の水分が蒸発しやすく、気化熱が奪われ寒く感じるといわれる。京都市の1月の平均湿度は66%だ。雪が多い滋賀県彦根市(75%)や京都府舞鶴市(81%)より低いが、東京都(52%)や大阪市(61%)より高い。

 では、昼間暖かく朝晩冷え込むから、相対的に寒く感じるのか。昼夜の気温差の1月平均は、京都市で7・7度。彦根市(6・1度)や舞鶴市(7度)より差があるが、奈良市(8・9度)ほどではない。

 京都地方気象台に聞いてみても「残念ながら、京都が特別に寒いというデータはありません」。

 もしかすると気温でなく、家の問題ではないだろうか。徒然草に「家の作りやうは夏をむねとすべし」とあるように、猛暑の京都は「涼」が重視されているのかもしれない。

 京町家を多く扱う不動産会社「八清」(下京区)の西村孝平社長(69)は「確かに京町家は風が通って涼しいが、大津や奈良の古い町家も同じ構造を持つ。京都だけが特別なつくりではないです」と話す。家の構造のせいでもないようだ。

 ここで、100年前からのデータを見てみる。京都市の1月の平均最低気温は、戦前は彦根市より寒く、京都市の方が1度以上低い年もあった。しかし、1950年代から徐々に逆転し、近年は彦根市が1度近く下回っている。

 つまり、京都は半世紀以上前は確かに「厳しい底冷え」だった。でも、都市化によって本来の寒さはなくなってしまったようだ。

 今の「京都めっちゃ寒い伝説」は、京都人による「京都は他とはちょっと違います」という、街のキャラ付けなのかもしれない。

 ただ、「洛外」と呼ばれる京都市郊外は、事情が異なる。2017~18年冬、京都新聞社は市内6小学校と協力し、気温を計測した。

 すると、京都盆地最北の柊野小は、「洛中」と呼ばれる市中心部の高倉小より平均1・8度も低く、平均最低気温は新潟市や富山市並みの氷点下0・3度だった。

 結論。今も「洛外」は、昔の京都のように、ほんまにさぶいんです。