青森県五戸町に戻ることになったディーゼル機関車「DC351」(昨年3月、与謝野町滝・加悦SL広場)

青森県五戸町に戻ることになったディーゼル機関車「DC351」(昨年3月、与謝野町滝・加悦SL広場)

  昨年閉園した京都府与謝野町滝の加悦SL広場で展示されていた、青森県の旧南部鉄道で唯一の現存車両とされるディーゼル機関車「DC351」が、沿線の青森県五戸町に無償譲渡されることになった。約半世紀ぶりの“帰郷”になり、五戸町は「地域一丸となって車両を守っていきたい」としている。

 五戸町によると、同鉄道は1930年に全線開業し、同町と八戸市の12・3キロを結んだ。1968年の十勝沖地震でトンネルの崩壊など壊滅的な被害を受け、そのまま廃止された。

 車両は56年に大阪で製造され、木炭や木材、リンゴといった貨物を中心に旅客輸送にも活躍した。地震の前年に日本冶金工業に譲渡、大江山製造所(京都府宮津市)の専用線で使われて被災を免れた。

 五戸町の歴史資料館には旧南部鉄道の被災写真や経営資料はあるが、車両の展示はなかった。与謝野町のSL広場の閉園を知った五戸町が昨春から検討を始め、車両を所有する宮津海陸運輸に相談して無償譲渡の優先順位1位に選ばれた。

 昨秋、五戸町の若宮佳一町長が与謝野町を訪ね、車両を視察。歴史資料館に屋根付きの展示場所を設ける予定で、22年度中の公開を目指し、クラウドファンディングなどの活用も検討中だ。同町の小村隆幸・政策調整室長は「保存状態が良く丁寧に管理されていたのが分かる。町の災害史や鉄道史を学ぶシンボルにしたい」と話す。

 宮津海陸によると、SL広場の展示車両27両のうち、18両の譲渡先が決まっている。