由良川漁協による稚アユの放流(2019年5月21日午前10時、福知山市猪崎・由良川左岸)

由良川漁協による稚アユの放流(2019年5月21日午前10時、福知山市猪崎・由良川左岸)

 京都府は、河川などを漁場とする「内水面漁業」を振興する計画を策定している。魚がすみやすい環境の整備や水産資源の増殖、高齢化が課題となっている担い手の育成を目指す。2021年度から実施の予定で、古くからアユに代表される食文化が培われてきた川の恵みを取り戻す。

 治水を重視する河川整備や食文化の変化による需要減、漁業関係者の減少などが影響し、内水面漁業の漁獲量は減っている。また、大量の魚を食べるブラックバスなどの外来魚やカワウによる被害も事態の深刻化に拍車をかけている。

 これらの背景の中で、府内では08年に約31トンだった漁獲量が、18年には約11トンまで落ち込んだ。養殖の生産量も12年の約39トンが19年には約20トンとなっている。

 さらに担い手となる漁業協同組合の組合員は、1998年の7848人が2018年には3247人と4割程度になっている。

 府が現在まとめている計画案では、水産資源の回復と漁業環境の再生、漁協の健全な経営などを大きな柱に据えている。取り組みとしては、河川で魚の遡上を妨げないよう魚道の設置を推進すると明記した。また、外来魚などの駆除支援や生態系に配慮した河川整備、担い手の発掘に取り組む。ブランド化や消費の拡大も目指す。計画期間は21年4月から5年間で、5年後に見直しを行う。

 府水産課は「夏はアユ、冬はハエ(オイカワ)といった昔から脈々と続く豊かな川魚文化を大事にしていきたい。治水や防災もあるので関係者と協力して進める」としている。